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1.ポリオとは?
ポリオ(Acute poliomyelitis、急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスにより生ずる四肢の急性弛緩性麻痺を典型的症状とする疾患で、かつては小児に多発したところから小児麻痺ともよばれていました。
2.ポリオワクチンの重要性
ポリオに対する有効な治療法はないため、ワクチン接種によってポリウイルスの感染を予防する事が最も重要で、現在我が国では生後3ヶ月以上90ヶ月未満の間(生後3ヶ月-18ヶ月が標準投与年齢)に経口生ポリオワクチンを2回投与しています。我が国ではこれによってポリオ患者がいなくなりました。但し、昭和50-52年生まれの方のポリオウイルス抗体保有率は37%-64%と、他の年齢層の約80-90%に比べて低く、これらの方々は、ポリオ流行地への渡航の際や、極めて稀ですが自分のこどもがポリオワクチン接種をうけた際に感染を受ける可能性がありますので、追加の経口生ポリオワクチン投与を受けることが望ましいとされています。
3.ポリオワクチンの副作用と注意点
経口生ポリオワクチンはポリオウイルスに対する血清中の抗体、腸管内の分泌型IgAとも上昇するため感染予防効果は絶大です。しかし生ワクチンであるため、ワクチン株によってポリオ様の麻痺が発生する可能性がきわめて稀ながらあり、その割合は約440万回の投与に1例です。また、接種を受けた人の周囲で、免疫を持っていない人に感染してその人が麻痺を発症する割合は約580万回の投与に1例です。その他、下痢が5%、発熱や嘔吐が1-2%の頻度で見られます。
また、下痢の時にポリオワクチンを投与すると、ワクチンが排泄されて期待される効果が得られない場合があるため、下痢が改善してからワクチンを投与します。
尚、ポリオワクチン接種後、約1ヶ月間は便中にポリオウイルスが排泄されるため、オムツ交換後の手洗いは十分に行い、スイミングもご遠慮ください。